音楽

ドゥルッティ・コラム "keep beathing"―壊れそうということはそれだけで美しく力強い

三が日も終わり、そろそろ日常に戻る頃。日常からははるかに離れた佇まいが魅力の英国ポップのレビューです。80年代に出てきたバンドなのだが、実はCDを買ったのは初めて。その頃は中古で安かった12インチシングルを1枚買ったけど、それほどきかずにしま…

“マンデイ・スマイリー・マンデイ”―U2来日公演最終日レビュー

12月も早くも7日。5日からマフラーもし始めましたが、まだ自室は暖房なし。わけもなく、ただ乾くのが嫌なのと単に面倒なので耐えています。 というわけで、きっともっと寒いだろうアイルランド出身、U2日本公演最終日のレビューです。会場の埼玉スーパー…

"with or without you"―U2前夜に

12月最初に日曜。久しぶりに仕事らしい仕事はまったくせず、いい天気だったし、うっかり昼っから飲んだりしていました。 いよいよ明日は春から延びたU2公演。熱い話は冬に書いた(http://blog.goo.ne.jp/quarante_ans/e/2b6bf75e06c16d0807d7d8987e98b7fe…

ニール・ヤング "parairie wind"―ゆったりとして律儀な深化 "without anywhere to stay"

ニール・ヤングをきいていていつも思うのは実にまじめなミュージシャンだということ、もちろん“彼なりに”ではあるけれど。 ちゃんとききだしたのは遅いが遡ってけっこうきいたし、18年ぶりという01年のフジロック、次の年か武道館の "greendale" ツアーにも…

ポール・ウェラー "Catch-Flame!"―おしゃれ頑固の骨太集大成

スタジオ最新作 "as is now"(http://blog.goo.ne.jp/quarante_ans/e/4f0267bbd5206c8622cfa92bcdbe61cb)についての記事で、学生時代、ジャケ写のファッションを真似ていたなどという個人的ファン史には触れたのでここではサウンド面のみ。そういえば、音楽…

ボストン・グレイテスト・ヒッツ―"A band we'll never be"

何を隠そうボストンは、高1の時に行った初の外タレコンサートで武道館。今は北海道で医者をやっている中高の同級生A君と繰り出したのだった。 2nd "Don't look back" を出した直後の最盛期。トム・シュルツのゴールドのレスポールや名前は忘れたボーカル…

ベル&セバスチャン "The Life Pursuit"―切なく甘酸っぱく清々しい“軟弱頑固”

日本で、いや世界のどこでもそうだろうがベル&セバスチャンのファンといえば、好きな人ならわかる大体共通するイメージがあるはずだ。押しつけがましくなくはないけれど自分の世界は持っていて感傷にひたりがちで悪くいえば線が細く軟弱、どちらかというと…

ダミアン・ライス "O"―生涯の秋の一枚

今きいているのが二度目だけれど、きっと生涯のベスト50に入る一枚。今日からしばらく何度も、多分来年もそのまた次の年も、ずっと特にこの秋から冬にかけてよくききそうだ。ニール・ヤングの『アフター・ザ・ゴールドラッシュ』、ハイ・ラマズの『ビート・…

レイ・デイヴィス ”other people’s lives”―もう初期だけだなんていわない

私にとってキンクスは、オールドロックの中でビートルズ、レッド・ツェッペリンとも並ぶ重要な存在。実験的精神とサウンドが魅力の後2者に対し、歌としてきくのがキンクスだから、仕事をしながら一緒に歌う特集も年に何度もある。 また他2集団に比べ、活動…

フレーミング・リップスをきくのはこれで3枚目。 前作 "Yoshimi Battles the Pink Robots"とその前の "The Soft Bulletin" をきいたからもう慣れているけれど、この完全主義の音づくり、それに反するへなちょこボーカルがつくり出す、遊園地的ポップは実に…

【introduction】 米の女性シンガーソングライター。詳しいことは知らないのですが、固定メンバーは1人のよう。『ミュージックマガジン』では、「低血圧女番長」「不思議ちゃん」のようなことが書いてありました。 最初に買った前作 "you are free" は、M…

現役ロック界でレディオヘッドは特別の存在だ。 毎回新しい要素に挑戦しながら、決してクオリティが落ちない。個人的なベストは90年代ベスト2の一角97年の "ok, computer" だが、たとえば "Amnesiac"の "Life in a glass house"での大胆なジャズ解釈などは…

【introduction】 1stが売れに売れた英期待の若手の2nd。 いきなり武道館単独で今年のフジではDAY1のメインだそう。J−WAVEの日曜では1位にもなりました。【review】 名前は知らんが、何度かテレビでみたヴォーカルの顔が思い出されてしまう。やたら…

【introduction】 元・ジャム、スタイル・カウンシルというのが適当かどうかの、英国ロック最重要人物の一人、ひと呼んで“ウェラー兄い”が発表した集大成アルバムということで、『ミュージックマガジン』05年英ロック1位ほか大いに話題に。キャリアベストの…

……NHK−BSで黄金週間というのにこれといった予定のないロック老若男女にまたとないプレゼントの“ロック黄金映画”特集があるので、ここはシリーズ化しつつある“自らの old days からみる音楽名作”としてこの5作について。●1日 デヴィッド・ボウイ『ジギ…

【introduction】 ウェールズ出身の若手ポップバンドの7枚目だそう。前作で初めてきいて、なかなか気に入ったので購入しました【review】 おだやかで緻密。 最近のブリテン若手によくある音づくりでも、こういうタイプは嫌いではないので、ずいぶん回数はき…

先週の16日、春の雨の木曜日。1ヶ月続けた仕事を仕上げるべく、塾へ車を走らせていた。途中、駅を見下ろす中央道の陸橋に向う時、きいていたMP3プレイヤー、愛機 iriver プリズムが奏で始めたのは、日本のガールズバンドの元祖といわれる、ZELDAの…

先週だったか、塾OBの若いやつと飲酒討論中、最近のまわりの出来事やY君が最近読んだという遠藤周作『沈黙』、仕事などの話からテーマは“信じる”ということに。J−WAVEをつけていたところ、メアリー・J・ブライジ+U2 "One" がかかったところでふ…

首都圏に雪が降った土曜は、OB・Y君と新宿ピットイン主催、ニューイヤージャズフェスティバルに行ってきました。そのレポートを。12:30 ファミリーマートで前夜番号間違えて出なかった紙発券に成功 13:00 出発。雪のため湘南新宿ライナー運休で一本遅れ。…

前回更新はジョン・レノンの25回目の命日。レノン+ビートルズ特集に関わらず、時々第9とレッド・ツェッペリンと書きましたが、なぜこれが愛機 iriver に入っていたかというと、ものすごく苦戦した大仕事の終わりのテーマとして愛聴しているから。ツェッペ…

【introduction】 カナダ出身の女性シンガーの97年リリースのベスト。まったく知りませんでしたが、J-WAVEで秀島史香嬢が推薦していたM4 Adia をきいて気に入り購入しました。 何度かききましたが、 Adia 以外はあまり印象に残らず。シンニード・オコナー…

【introduction】 スカパー解放デイにクラシカジャパンでオンエア。10年くらい前かNHK−BSでやっていたのを、当時フジの『音楽の正体』や『キーボード・マガジン』のセミナーで音楽理論を学んでいたこともあって興味深くみたので、ただでみられるならと…

【introduction】 うなるオルガンプレイと頭の高いところに響き渡るハイトーンボイス。もはや元トラフィックというべきかどうかのスティーヴ・ウィンウッド、ソロ、1977-86のベスト盤です。 スペンサー・デイヴィス・グループ、トラフィック、ブラインド・フ…

【introduction】 今や英国を代表するロックバンドの6th。名作2ndの後はいいところ少なく、3rd以降はいつももう買わないと思ってきたが、今回もアマゾンの割引券をもらうために1枚買わなければならなくなり購入。 ほかのアルバムをきいたことがない人は…

本日は番外編。 先日、長い友人Iからなぜか突然、「『この歌のこの歌詞はすげえ!』と思うヤツをいくつかあげてくれ」と頼まれました。「何だ」ときくと、「私的な文章の参考にする」とのこと。凶暴につき、いうことをきかないと次に会う時こわいので、仕事…

【introduction】 リヴァプール出身、膨大な過去の音楽からの遺産を継承する英国ロック界期待の若年寄の3rd。 早くいえば昔っぽいサウンドだから意外に、邦楽ならクレイジーケンバンドら昭和歌謡復興組のファンにはいいかも知れません。【review】 と、音…

【introduction】 元・レッド・ツェッペリン、ロバート・プラントの新作ソロ。 ワールドミュージック志向全開です。【review】 私にとって、ZEPといえばまずJ・ペイジ。なのでそういえば、ペイジのいないプラント名義のアルバムを買ったのは初めてです。 もう…

【introduction】 映画『マグノリア』や『アイ・アム・サム』で知られる、米のシンガーソングライター、エイミー・マンの5作目。 これまできいたのは前作だけですが、M1は個人的02年ベスト洋楽シングルでした。【review】 70年代舞台のロード・ムービー仕立…