【introduction】
ウェールズ出身の若手ポップバンドの7枚目だそう。前作で初めてきいて、なかなか気に入ったので購入しました

【review】
おだやかで緻密。
最近のブリテン若手によくある音づくりでも、こういうタイプは嫌いではないので、ずいぶん回数はききました。米のフレーミングリップスなどが思い浮かびます。
なぜか一曲ごとの印象は薄く、どういう曲があったんだろうと何度もきいてしまうという状況。それできいていると、ああ、ギターがXTCみたいだとか、意外にもピンク・フロイドの『狂気』のようじゃないかとか、いろいろ考えて楽しいリスニングタイムが過ごせます。
しかし、それが何なのかといわれればそれまで。それがポップスの限界であり、同時に「何なのか」ときかれてわからないところがひょっとしたら最上級のポップスなのかも知れません。
素晴らしいといわれる手前でわざと立ち止まったかのようなコーラス、じゃまにならずに個性を発揮するギターやストリングス、意外過ぎずにまとまる構成。部分はすごくすぐれているのに全体はわざとぼかしているとすればものすごい技量のようにも思えて、つい次作もきいてしまいそうです。
“トナカイはにわ”とでも名づけたくなるジャケットはキュート。
なお、バンド名は super fury とカン違いしていて、「恐ろしく怒れる動物」とはイメージと違うなあと思っていた次第。しかし「恐ろしく毛だらけの動物」とはこれまたいかに。

SUPER FURRY ANIMALS "LOVE KRAFT" アマゾンにて購入。05年10月21日聴