2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

加藤幹郎『映画館と観客の文化史』―だから映画は美しい。作品も観客も

年も押し詰まり寒くなりました。今日は「読書」、映画についての本です。映画はきちんとみたいと私は思っている。できれば映画館で、自宅で録画でもそれなりに姿勢を正して、最初からエンドロールが消えるまで。この本を読んでも、その気持ちに変わりはない…

ダンカン・タッカー『トランスアメリカ』―「新しいテーマは古いスタイル」で

「ロードムービー」とはすごい発明だと思う。 性同一障害、親子関係、少数民族、ワーキングプアなど実に多様な、しかも今日的なテーマを詰め込みながら、それを難なくまとめてしまえたのは、ロードムービーというすばらしい“道路”があってこそ。もちろんそれ…

野上弥生子随筆集『花』―「山よりの手紙」の中の『マルクスの娘たち』

U2だのイーストウッドだの荒くれた話が続いたので、ここで一つ、明治生まれの女性が老境に達してから書いた随筆です。【introdoction】 著者の wikipedia の解説は(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E4%B8%8A%E5%BC%A5%E7%94%9F%E5%AD%90)。1885…

C・イーストウッド『父親たちの星条旗』―第一部だけでも戦争映画の新たな傑作

順番無視で今日は映画。明日の『硫黄島からの手紙』公開前にと思ったので。『硫黄島』をみた後ではきっと印象が変わってしまうから今日のうちに。この第一部だけでも十分な傑作だと思う。 まず監督イーストウッドの、76歳にして新たなジャンルに挑戦し、しか…

“マンデイ・スマイリー・マンデイ”―U2来日公演最終日レビュー

12月も早くも7日。5日からマフラーもし始めましたが、まだ自室は暖房なし。わけもなく、ただ乾くのが嫌なのと単に面倒なので耐えています。 というわけで、きっともっと寒いだろうアイルランド出身、U2日本公演最終日のレビューです。会場の埼玉スーパー…

"with or without you"―U2前夜に

12月最初に日曜。久しぶりに仕事らしい仕事はまったくせず、いい天気だったし、うっかり昼っから飲んだりしていました。 いよいよ明日は春から延びたU2公演。熱い話は冬に書いた(http://blog.goo.ne.jp/quarante_ans/e/2b6bf75e06c16d0807d7d8987e98b7fe…