2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

レイ・デイヴィス ”other people’s lives”―もう初期だけだなんていわない

私にとってキンクスは、オールドロックの中でビートルズ、レッド・ツェッペリンとも並ぶ重要な存在。実験的精神とサウンドが魅力の後2者に対し、歌としてきくのがキンクスだから、仕事をしながら一緒に歌う特集も年に何度もある。 また他2集団に比べ、活動…

宮本常一『忘れられた日本人』―私はいったい何をしているのか

読んで思った。現代人は、というより、私はいったい何をしているのかと。 例えば地球の裏側で行われているボール遊びを一大事と考えて大騒ぎしたり、ききとれもしない言葉で歌われる歌に現を抜かしたり。21世紀の日本に生きることで得られるこうした愉しみは…

『ユナイテッド93』―映画的な、あまりに映画的な

こんなに怖い映画をみたのは、初めてだったかも知れない。 「表現」とは“業”だと思う。自分の企みにかたちを与えることでこころよく思わない人がいるとしても描かずにはいられない、どうしようもなく切実なかたち。その切実さこそが、表現に力を与えるのだ。…

こんばんは、はじめまして。 このたび hatena に登録したのですが、私、quarante_ans は、goo にメインブログを持っています。 しかし hatena の機能はすばらしい点が多いので、効果的な方法を考え、利用したいと思っています。 goo のブログもよろしくお願…

フレーミング・リップスをきくのはこれで3枚目。 前作 "Yoshimi Battles the Pink Robots"とその前の "The Soft Bulletin" をきいたからもう慣れているけれど、この完全主義の音づくり、それに反するへなちょこボーカルがつくり出す、遊園地的ポップは実に…

帯に「24時間戦う遺体科学者 動物進化の神秘へ迫る」。もちろん写真も満載。何やら尋常ならぬ著者の顔写真も魅力的で、つい買ってしまったらかなりおもしろかった。 本書の美点は多い。まず生物の本としては異例といえるリリックな表現、そして同じ解剖学の…

ジム・ジャームッシュのキャリアの中で、数年後、本作『ブロークン・フラワーズ』はどのような位置を占めることになるのだろう。 『ダウン・バイ・ロー』から後のジャームッシュは、いつも物語を描くことを回避しているように思っていた。繰り返し撮ってきた…

【introduction】 米の女性シンガーソングライター。詳しいことは知らないのですが、固定メンバーは1人のよう。『ミュージックマガジン』では、「低血圧女番長」「不思議ちゃん」のようなことが書いてありました。 最初に買った前作 "you are free" は、M…