【introduction】
映画『マグノリア』や『アイ・アム・サム』で知られる、米のシンガーソングライター、エイミー・マンの5作目。
これまできいたのは前作だけですが、M1は個人的02年ベスト洋楽シングルでした。

【review】
70年代舞台のロード・ムービー仕立てという今作。意欲作と思います。
ただ、小説風の歌詞をよくきかせようということか、アルバムの曲調にはさらりとしていて、かけっぱなしにしていて、はっとさせられる場面は前作より減っています。
とはいえ、曲づくりのうまさは変わりありませんし、バンド感重視という音づくりも緊張感いっぱいです。
評価の高い歌詞、今回は読みながらきいてみました。
物語を前面に押し出した作風は近年では、ニール・ヤングの『グリーンデイル』が連想されます。ただし、物語が頭に入っていれば、情景も浮かびますが、歌詞カードに頼らなければならないリンスニング力では、おもしろみは割引。自分の力なさゆえの割引でも、数年後、A・マンの音楽をきこうと思い立って、まず探すのは前作の方になるでしょう。
ジョー・ヘンリーは、知らなければそうと気づかないほどの抑えのきいた仕事ぶりと思います。

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