【introduction】
今や英国を代表するロックバンドの6th。名作2ndの後はいいところ少なく、3rd以降はいつももう買わないと思ってきたが、今回もアマゾンの割引券をもらうために1枚買わなければならなくなり購入。
ほかのアルバムをきいたことがない人は、やはりまず2ndから。

【review】
2nd以来のデキと評判で、確かに最近のアルバムの中ではいい曲が多く、きく回数も多くなっています。
ききながら、このバンドのいいところとよくないところを考えました。いいところは、何より歌がよくできていることと曲づくりや歌の力に対する疑いのなさ、よくないところは、裏返せばそれが単純さとして現れること、音楽的な蓄積の浅さ、言動は抜きにしても音から感じられる傲慢さなど。まあ、最後の傲慢さは、反対にこのグループの持ち味なのかも知れません。
そして、音楽に何か発見があるかどうかという“ロックミュージシャン”の宿命への姿勢があります。
唐突ですが、今回のNHK朝のドラマ『ファイト』。よくみてますが、その中で週に1回出てくる由紀さおりの歌唱シーンは見ごたえあります。『冬の星座』『はるかな友に』などという普段は決して思い出さないような曲を、由紀の揺るぎないスタイルで歌い切ってドラマに彩りを与えます。それはあまり重きを置かれないこういった歌曲に、新しい命を与えているかのようです。
そしてオアシスの本作。あっ、今回はベルベットか、サージェントペパーズにこんな曲が、やっぱり最後はジョンかい、これがオアシス節だよな、ときいていくのは、ある意味ロックファンの醍醐味かもしれない。けれども、新しい発見は由紀の歌ほどありません。それでいいのか、英国ロックの大物。
2ndが名作なのは、一応はあの時代にああやっていい歌を歌うイギリスの若手があまりいなかったから。しかし、名作たるゆえんは今きいてもあせることのないメロディーと潔さがほかにない輝きを放っているからでしょう。1stと2nd、当時のB面集は今も時々きくし、10年後もたまにきくことはありそうです。ですが、本作はそうなりそうもありません。
といいつつ、現在はよくきいているのですが。

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