『キングコング』〜ビューティフォー、ビューティフォー

劇場作優先という新ルールにより、正月にみたこの映画のレビューを。
めったにみないエンターテインメント作品ですが、4回分たまったポイントカードが半年間の期限切れが近づいたので、『SAYURI』でもみようかと思うといっていたら、特撮ファンの同級生M君がそれなら『キングコング』がいいのではということになり、M君車で出かけました。

【introduction】
私などが説明する必要はないでしょう。3度目の映画化ですが、私は前2作は未見です。M君と、行ってから「なにー、3時間もあんのかよ」と驚きました。

【review】
という3時間の上映時間でしたが、終わって出る時近くにいた20代前半女性2人連れも、「すっごい迫力〜。全然長く感じなかったね」とのこと。長さに怖気づかなければ、古典的な美女と野獣物語をスリル満点のシーンが彩る、誰もが満足のいく映画なのかも知れません。
大変よくできた映画という印象。導入部、島に行くまでもいいし、現実的とはいえなくても映画らしさの極致といえそうなライティングなども十分楽しみました。
私にはちょっとしつこい恐竜シーン。何でああいうのがいるんだというと、前2作ともみているM君が「オリジナルにも出てくるんだ」。以前『ターザン砂漠へ行く』に巨大クモが出てくるのをみて、「誰も行ったことないと思ってずいぶん大胆だな」と思いましたが、当時の映画的常識はそういうものかも知れません。
ただ、『ジュラシック・パーク』以来、変温動物の恐竜も、実は速く動けたということになったようですが、私にはどうにもうそ臭く思えてだめです。CGに関しては、ほとんどみないので語る資格はありません。
ジャック・ブラックエイドリアン・ブロディもそれなりにいいですが、やはりここはナオミ・ワッツ。実に楽しそうに演じています。思うに、恐怖に慄き、からだいっぱいで愛を表現し、怪物にこの世の誰よりも愛されるというこの役は、美人女優なら一度は演じてみたい役なのではないでしょうか。とはいえ、タイトルロールまでナオミ・ワッツとはわからなかったのですが。
しかし情報をみるとこの映画、だいたい今週いっぱいで終わるよう。帰りに寄った飲み屋でM君と傑作だったと話し合いましたが、残念ですが若い人に敬遠されるのもしかたないような気もします。
ひとまず、翌日だったか夕方部屋にいたので、窓から夕陽を見ながら、近くにいたたれ目の顔を外に向け、ビューティフォー、ビューティフォーといってみました。そうした人も多いのではないでしょうか。M君とあっちよりよかったという『タイタニック』をみて、船の舳先で手を広げた人にはかないそうもありませんが。

1月4日観 伊勢崎MOVIXにて

(BGMは来月結婚する高校の友人の関係で購入したデヴィッド・ボウイのベスト。やっぱりよくできた曲が多い。キングコングが出てきたところで "Scary Monsters" という名曲も。確かギターはロバート・フィリップ。何で "It's No Game" を入れねえんだ、と思いますが、それはしかたないところ。「シルエットや影が革命を見ている……新聞は書きたてるぞ〜」。昔よくまねしました)